あなたも自分もみんな好き
ニッポン放送開局55周年記念公演「キサラギ」
5月3日、北海道厚生年金会館。
大ヒット映画を舞台用にリメイク。
前日、大泉さんの結婚報告を読んでから、ヘラヘラと笑いが止まらず、
(ご結婚おめでとうございます。今後も全力で応援させていただきます)
観劇中も思い出し笑いで集中出来ないんじゃなかろうか、等と妙な懸念もした。が、
其れは其れ、此れは此れ。
最後迄全く何の問題も無かった自分は、自分が思う以上に単細胞だったらしい。
以下、ネタバレ有り。
映画版含む。
「憧れてません」
「喪服を着れば盛り上がれるんです!」
「750枚」
「しがない公務員ですよ。父は警視総監ですけどー」
「あんた怖いんだよ!」「……。ちーっす」
「友達でも、幼馴染みでも、マネージャーでも、父親でもない、単なるファンの、僕が?」
「やる気満々じゃーん!」
「ミキ、本番だぞ」
映画と比べて大きな違いは無い。
勿論、細かな違いは幾つも有るが、粗映画通りの展開で、
映画通りの展開なのに其れでも終始笑って観られた、のは、
9割方役者の力。
演出の話。
正直、集中力を殺がれた場面が幾つか在った。
其れは単純に好みの問題の様なので、省略。
家元役の松岡さんはSOPHIAのボーカリスト。
だからかどうかは分からないが、他人の視線を集めるのが得意そうに感じた。
自慢気だったり、シリアスだったり、好奇心に色めいたり、自殺しそうな程落ち込んだり、
くるくる変わる家元の動きや表情は、何時迄も飽きない。
家元がミキに贈った歌。
じわじわと可笑しく、じわじわと切ない。
スネーク役の今井さん。
歌のおにいさん時代は存じ上げていたが、役者としては今回が初見。
チャラチャラと調子が良くて頭は悪い、けれど、憎めない青年。
そんなスネークを演じられた今井さんに、好感と好奇心。
若者言葉満載の台詞すら聞き易かったあの発声は長所。
話についていけない男、安男。
ついていけないのは場にいないから。
……だけが理由とは思えず。
人の話を聞こうとしないのも大きな理由だと思う。
スネークとはまた違った落ち着きの無さに、右手が疼く似非親心。
イチゴ娘役の中山さんは、密かに贔屓の役者さんなのだが、
御本人もパンフで語られている様に、役柄的に若いのでは? と思っていた。
見事に怪演。流石。
カチューシャを着け、見守っていたと言い張るイチゴ娘のギリギリの気持ち悪さ、
が、親の愛として皆に受け入れられる瞬間が、映画・舞台共に一番好きな場面。
大事な思い出のマグカップ、を、交換条件に差し出そうとするのは親としてどうかと。
ミキの死因を他殺と確信し、執念深く其の犯人を捜し続けたオダ・ユージ。
スマートでハンサムでダンディ、回る姿も美しい。
そんなクールな外見からは予想出来ない程、内に抱えた熱さが周囲を凍らせる。
「犯人」を追い詰め「裁き」を下そうとする時の眼光にゾクゾクする。
一転。
落差の激しいヤセッチャーさんの姿に、何故か「残念」という二文字が浮かんだ。
二枚目が吐く三枚目台詞が次々とツボに嵌る。
1対4の図。
集まったり連なったり固まったり。
図体のでかい男達の集合体は見ていて微笑ましい。
歌も演技も下手なD級アイドルの唯一のシングル曲は、言う程下手に聞こえなかった。
帰り道、サビの部分がずっと頭から離れない。
ピンクの法被で踊る男達は、可愛い。
おっさんでも可愛い。
カーテンコール。
スポットライトは6人分。
大きく拍手。
同日夜、地元では聞けないFMラジオを聞く為に夜更かし。
舞台上での、森崎さんの華のあるミス話、と、藤尾くんの有り得ない失敗話、に大笑い。
自分が観たお芝居・ライブ等の、こういう裏話は大好きだ。
何時か、キサラギのそういう話を聞く機会が有れば良い、とひっそり願う。
美味しい物を食べ、綺麗な物を見、可愛いモノを眺め、思い付く侭に喋り。
ここ最近で一番充実した1日。
感謝。
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